今日は「ギリシャ神話にまつわるお花達 ヒヤシンス編」です。
ヒヤシンスは春のお花の代表格。

耐寒性のある秋植え球根として有名で、チューリップやスイセンなどと並んで、鉢植えもとても人気です。
葉と花とのバランスがよく、ボリューム感があり、香りがとても強いお花です。
学名は、Hyacinthus orientalis
和名はヒヤシンス(風信子、飛信子)
その他の名前は夜香蘭、ダッチヒヤシンス
和名はヒヤシンス(風信子、飛信子)
その他の名前は夜香蘭、ダッチヒヤシンス
キジカクシ科 ツルボ亜科 ヒアシンス属の球根性多年草です。
野生種の花は青紫色。
その後園芸用として品種改良がおこなわれ、赤、ピンク、白、黄、青、紫など花色が豊富になりました。
球根の表皮が花色と同じような色なので、球根を見ると花色がわかるといわれています。

それでは、ギリシャ神話に出てくる『ヒヤシンス』の勉強をしていきましょう!
ヒュアキントス(Hyakinthos)は、マケドニア王ピエロス(Pieros)と、 楽神 のクレイオー(Kleio 祀る女)の息子で、大変な美少年でした。
このヒュアキントスに、太陽神アポローン(Apollon)の孫、タミュリス(Thamyris)が恋をしました。これが、同性愛の先駆けになったと言われています。
タミュリスからの縁でしょう。後にヒュアキントスは、アポローンに仕える従者兼恋人になりました。
アポローンとヒュアキントスの仲は良好でしたが、ある日、円盤投げをしていたアポローンは、誤って円盤をヒュアキントスに当ててしまい、それが原因でヒュアキントスは命を落としました。
別の説もあります。ヒュアキントスは、その美貌ゆえにアポローンと西風ゼピュロス(Zephyrus)のふたりから言い寄られていました。ヒュアキントスはアポローンを選び、ゼピュロスはそのことに嫉妬します。
そして円盤投げをしているふたりを見かけた西風ゼピュロスは、アポローンが投げた円盤を、風の力でヒュアキントスに当て、あたかもアポローンの仕業に見せかけて、その命を奪ったのです。
いずれにせよ、ヒュアキントスの死を悲しんだアポローンは、地面に広がったヒュアキントスの血から花を咲かせました。このときアポローンは、その花びらにギリシア語で〝悲しい〟を意味する〝AI〟を刻みつけました。
この花がヒュアキントス――ヒヤシンスと呼ばれるようになったのです。秦寛博『花の神話 Truth In Fantasy』 株式会社新紀元社(2012/12/26)
ヒュアキントスを深く愛していたアポロンは、その後スパルタの市民たちにヒュアキントスを偲ぶ祭り「ヒュアキンティア」を毎年開催させていたんだそうです。
戦争好きのスパルタ人もこの祭りのある4月には戦争を中断して祭りを楽しんだとか。
ヒュアキントスを深く愛していた太陽神アポロンの嘆きがヒヤシンスを生み出したのですね。切ないお話でした。
このエピソードから、花言葉は「スポーツ」「ゲーム」となっています。
色別の花言葉を見てみると、
紫のヒヤシンスの花言葉は「悲しみ・悲哀」
青いヒヤシンスの花言葉は「普遍の愛」
赤いヒヤシンスの花言葉は「嫉妬」
白のヒヤシンスの花言葉は「控えめな愛らしさ」
黄色のヒヤシンスの花言葉は「あなたとなら幸せ」
ピンクのヒヤシンスの花言葉は「淑やかな可愛らしさ」
どれもこのギリシャ神話のお話が由来のような愛を表す花言葉ですね。
ヒヤシンスはとても良い香りがして、その香りはギリシャ神話の時代から人々を魅了してきました。
古代ギリシアでは花嫁の花冠はヒヤシンスとパセリの枝で作られ、花嫁をその芳香で飾っていました。
現代でもヒヤシンスの花の抽出油がフレグランス商品や香水に使われています。
育てやすく、お花が咲くと良い香りが漂うので水耕栽培や鉢植えでお部屋に飾るのも良いですね。
ということで、今日はギリシャ神話 ヒヤシンス のお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。